2017/10/22 ヴラマンク展

朝から強い雨。選挙に行ってから中央道に乗って甲府昭和で降りる。下道を北に4kmくらい走ったところに山梨県立美術館がある。そこで9/2からやっているヴラマンク展が気になっていた。クライミングで雨敗退した時にでも行こうかと思っていたのだけど、雨が多かったりなんやかんやで機会がなくて最終日の今日になってしまった。ここはミレーのコレクションでも有名で常設展示をやっている。どっちから見ようかと思ったけど、企画展のヴラマンク展から。ヴラマンクといえば強烈な色使いと堅固なアングルの風景画というイメージだった。それが大好きだったのだけど、今回初めて静物画も見ることができた。セザンヌから影響を受けた初期の作品も初めて見る。補色の扱い方が独特だと感じる。色のトーンでそう感じるのか、タッチのせいなのか。1925年から1955年の全盛期の風景を描いた作品も原色に近い色を多用しているのだけれど、なぜか陰鬱なイメージを受ける。ゴッホとかユトリロの絵から受ける印象と少し似ているのかもしれない。空の描き方でそう感じるのだろうか。色とかコントラストの対比だけでなく、地上と空自体を対比させているようにも感じられたし、昼の中にも夜の雰囲気を感じる。独特な印象を与える不思議な魅力を湛えた画たち。晩年の作品はリトグラフだった。油彩ほど強烈なインパクトはないけれど、彼の色彩感覚のエッセンスが凝縮していると思う。ゆっくり見終わった頃にはお昼時だったので併設のレストランで食事をして、今度はミレーの常設展示室へ。種をまく人の実物を初めて観れた。この展示室はミレーの作品だけではなくて、19世紀の同時代のフランス画家たちの作品も展示されていて見ごたえのある内容。それからもう一つの企画展示室へ。こちらはこの美術館がコレクションしている作品を、あるテーマに沿って展示してみるという趣向のようだ。今回のテーマは「たべる」と「えがく」の不思議な関係、ということのようだ。主に山梨県にゆかりのある作家の作品が多く展示されていた。今まで知らなかった作家の絵もたくさん見れた。日本画、洋画、エッチング、コラージュとバラエティに富んだ展示内容。中にミレーのエッチングもあったりでさらっと流すつもりが結構じっくり楽しんでしまった。なんだかんだでお昼をはさんで半日以上美術館で楽しんだ。午後はホールでチェロの演奏会をやっていたり、子供の絵の展覧会をやっていたようで元気な子供の声がホールに響いていたり。東京の美術館の雰囲気とはちょっと違っていて興味深い。柔らかい雰囲気の美術館。コレクション展は年に4回展示替えをするようなのでまた来たい。

終日強い雨。晴れてたら青い空にレンガの色が映えて素敵なんだろうなと思った。行き帰りの高速道路は50km規制。水煙がすごくて運転はちょっと緊張した。

2017/10/18 立川志らく落語大全集 秋

国立演芸場。前回のシネマ落語の「E.T」が面白かったので「タイタニック」はどんな感じなのだろうと。開口一番は立川志ら松「大安売り」で始まる。それから立川志らく「粗忽の使者」「抜け雀」の後、仲入り。そして「タイタニック」。粗忽の使者と抜け雀の登場人物を登場させて江戸の人情噺に仕立てたタイタニック。タイタニックの時代設定と登場人物の設定が斬新。そうくるかと。新しい面白さに驚いた。それにしても噺を三つリンクさせるっていう手法はいつもながら感心する。例によって笑いっぱなし。

落語大全集のリーフレット。志らく氏がつづる解説を読むのが毎回楽しみ。

2017/10/16 メナヘム・プレスラー ピアノ・リサイタル

2014年の年末にベルリンフィルのジルベスターコンサートを聴きに行った時、ゲストソリストだったメナヘム・プレスラーさんのピアノのあまりの美しさに驚嘆したのでした。その時はあえて前情報なしで聴きに行ったのですが、ずいぶん高齢なように見えたけど…と思いながらホテルに帰ってネットで検索してみたら、なんと90歳だというではないですか。そして今回がベルリンフィルの共演デビューとのこと。びっくり仰天。いや、びっくりを越えて、感動しちゃいました。その時の曲はモーツァルトのピアノ協奏曲第23番。あの演奏は忘れられません。そのメナヘム・プレスラーさんが去年来日する予定が体調不良でキャンセル。年齢も年齢だし仕方ないか、と思っていたら今年も来日する予定とのこと。即チケットを入手して聴きに行ってきました。プログラムはヘンデル「シャコンヌト長調HWV435」、モーツァルト「幻想曲ハ短調K.475」「ピアノソナタ第14番ハ短調K457」、ドビュッシー「前奏曲集」第1集から「デルフィの舞姫たち」「帆」「亜麻色の髪の乙女」「沈める寺」「ミンストレル」、「レントより遅く」、「夢」。そしてショパン「マズルカ第25番ロ短調op.33-4」、「マズルカ第38番嬰ヘ短調op.59-3」、「マズルカ第45番op.67-4」、「バラード第3番変イ長調op.47」。大きな拍手に迎えられて登場、付き添いの方に支えられてピアノの前に座りちょっと目をつむってから演奏が始まりました。最初はちょっと緊張してるのかなと思っていましたが、すぐに演奏に集中。柔らかい音、息を飲むピアニッシモ。今売り出し中の若くて勢いのあるピアニストの大輪の花のような演奏も素敵なのだけど、今日のはそっと咲いているとびきり美しい小さな花をみんなで息をこらして見守るようなピアノ・リサイタル。聴衆のマナーも素晴らしかった。アンコールはショパン「ノクターン第20番嬰ハ短調」、ドビュッシー「月の光」。演奏後、付き添いの方に支えられて大きな喝采に応えるべく何度もステージに出てきてくれました。最後はほぼ全員スタンディング・オベーション。NHKの撮影が入っていたのでどこかで放送されるのだろうか。彼のドキュメンタリーだったらいいなぁ。

2017/10/07 立川志らく独演会

近所の練馬文化センターへ。前座の立川志ら鈴さんの「十徳」で始まる。志らく師匠の「火焔太鼓」の後、仲入り。最後は「中村仲蔵」。火焔太鼓を生で聴くのは初めて。CDで古今亭志ん生師匠のを車の中でよく聞いていたのだが、夫婦の会話のトーンが全く違っていて非常に興味深い。噺家さんのテイストの違いが歴然。どっちも良いなぁ。中村仲蔵は立川志の輔師匠のやつしか聞いたことがなかったのだけれど、志らく師匠のはギャグ要素がかなり高めでこれもまたよし。そういえば二年前に赤坂ACTシアターで聴いた志の輔師匠の大忠臣蔵と中村仲蔵のあのコンボはやはりすごかったなぁと今更ながら。来年またがんばってチケット取ってみようかな。

文化センターのロビーに案内役としておいてあるペッパーくん。来た時は元気で案内していたのだが、帰り際バッテリー切れで哀愁ただよわせまくり。

2017/10/04 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

アークヒルズサウスタワーの3rd Burgerでハンバーガーとビールを食べてリニューアルしたばかりのサントリーホールへ。5月に首席指揮者のイジー・ビエロフラーヴェク氏が逝去していた。代わりにタクトを振るのはペトル・アルトリヒテル氏。彼の指揮はどこかで聴いていると思うのだが、どこでだったか思い出せない。前回チェコフィルを東京で聴いたのは2015/10/31のサントリーホール、指揮はイジー・ビエロフラーヴェク氏で「我が祖国」とダニール・トリフォーノフのピアノでラフマニノフのピアノ協奏曲第二番だった。今回のプログラムはスメタナのオペラ「売られた花嫁」序曲、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第五番「皇帝」ピアノはアリス=紗良・オットさん、ドヴォルザーク交響曲第八番。アリス=紗良・オットさんのピアノを生で聴いてみたかった。青いドレスで裸足で登場。CDで聞くと硬質な音で端正なピアノという印象だったけど、コンチェルトで弾くピアノは端正なんだけど情緒豊かな印象。何より演奏を心から楽しんでいる姿が見てて楽しい。ピアニストのアンコールはショパン「夜想曲嬰ハ短調」。アンコール前に日本語で短い曲紹介があった。時差ぼけがキツいのでゆっくりな曲を演奏しますとのこと。アルトリヒテル氏の「Memory of Jiří Bělohlávek」のアナウンスの後、オーケストラのアンコール。ドヴォルザーク「スラヴ舞曲集第2集」より第7番と第8番。

ビエロフラーヴェク氏の指揮でレコーディングしたスラヴ舞曲集のCDが発売されていたのだった。買おうかな。

2017/10/01 小川山

早起きして小川山。駐車場近くで久々にヘビークライマーきんさんにお会いしてちょっと話す。それから小川山レイバックでアップしてイムジン河の岩へ。おーこれがイムジン河か。のりのりさんが必要なギアを入手できて、やってみます?とのことだったので細かいカムセットとナッツの練習&ビレイがてら連れてきてもらった。先客が何人かいたので、ラインを観察。のりのりさんがプロテクションの位置と番手を確認しつつ、ひとまずトップアウト。そのあとにそのままトップロープでトライした。プロテクションの位置と個所とムーブを探りながら。おそらくここが核心と思われるパートはあまりじっくり探らずに、ひとまず上までムーブ確認のために抜けておく。フェイス的ムーブと言われている通り、クラック特有のコツの要るムーブは使わなくても登れそうだ。ムーブ自体はそんなに難しくないと感じた。ただ、小さいカムをセットするのは慣れてないせいで緊張するし時間もかかる。確実にプロテクションを決めるのが核心ってこういうことか。登るためのムーブ作りやムーブをこなすということとは(自分にとって)全く別の感覚に切り替えなければならない。実際のクライミングの合間に今まで存在しなかったギアにシフトを入れながら登る感覚で(しかも基本的にうまく入らない)、思い通りにいかない。思い通りにできないというか、気持ちの切り替えがうまくできてないという感じだろうか。プロテクションのセットとクリップがセットになったムーブとして身体が認識するまでのもどかしさなのだろう。ボルダリングからリードに移行した時のクリップの面倒くささのグレードを上げたようなものかもしれない。次の便は夕方暗くなり始めてから。核心パートでやはりプロテクション位置とムーブ構成で悩む。時間もないので仮決めのムーブしか作れず。そこからのパートはプロテクション位置の調整でなんとかなるはずというのはわかった。最後ののりのりさんのリードトライは暗くてプロテクションがうまく取れなかったようだ。そこからはあっという間に暗くなってしまった。こういうこともあろうかと残しておいたトップロープでヘッテンつけて回収へ。真っ暗な中、食い込んだナッツの回収がこんなに大変だとは思わなかった(笑)。作業中、クラック内に住んでいるのであろう見たこともない形状の昆虫が内側を走り回っていた。彼らにしてみたら我々クライマーは相当迷惑な存在なのだろうなぁと思いながら、岩にぶら下がって小さいトンカチでナッツキーを叩く日曜の夜。

午前中、陽が当たるイムジン河。よく見ると左側にボルトが打たれているラインがあった。誰かのプロジェクトなのだろうか。

2017/09 ジムメモ

2017/09/19 立川談春独演会

仕事が終わってケンタッキーでコーラとチキンフィレサンドをかっこんで急いで有楽町に向かう。マリオンにある朝日ホール。滑り込みで間に合った。前座なしで始まる。「棒鱈」、「三軒長屋・上」、仲入りの後、「三軒長屋・下」、というプログラム。メインは三軒長屋。長い噺なので今回は棒鱈の後に上・下という仕立てだったけど、通しでもいいんじゃないかと思った。となると仲入りをどこに持ってくるか考えものなのか。とはいえ今度は通しで聴いてみたい。いつもながらの切れ味、見事な落語。帰ってデスク仕事。

朝日ホールのエスカレータ。見た目は昭和風なんだけど、写真にしてみるとどこか近未来風。

2017/09/17 読響日曜マチネーシリーズ

午後から池袋の東京芸術劇場に読響の第200回日曜マチネーシリーズを聴きに行ってきた。指揮はコルネリウス・マイスターさん、ピアノはダニール・トリフォノフさん。プログラムはスッペ「農夫と詩人・序曲」、プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第2番ト単調op.16」ベートヴェン「交響曲第6番・田園」。お目当てはトリフォノフさんのピアノ。プロコフィエフのピアノコンチェルトを生で聴くのは初めて。相変わらずの素晴らしいピアノ。曲調のせいもあるのだろうけど、あの世とこの世を自在に行き来しつつ演奏しているような錯覚を覚えた。去年ベルリンフィルのジルベスターで聴いたラフマニノフとは全く別人のようなピアノ。ピアニストのアンコールはプロコフィエフ「シンデレラより:ガヴォット」最後のベートーヴェンの田園で現実世界に無事戻されて終了。その足で目白のパタゴニアへクライミングパンツを修理に出しに行く。

マチネー終了後。外は相変わらずの雨。東京芸術祭の吊り広告、佐々木蔵之介さんのリチャード三世がとても気になる。それにしてもテキトーな写真(笑)

2017/09/09-10 小川山&瑞牆

2017/09/09
のりのり先生のクラックレッスン。初日、まずは小川山レイバックへ。1便目はトップロープで手のジャミングの感覚に集中して登ってみる。どうしても岩に手を添わせるジャミングじゃなくて、形状を持とうとしてしまう。テーマはできるだけ指で持たないことと省力化。できるだけ力を使わない手首の角度や手のひらの向き、親指の使い方、肘の角度を探りながらじっくり。少しだけわかったような気がする。2便目はトップロープでカムをセットしながら登ってみる。自分にとってはカムを確実に決められるようになるのが最大の課題。じっくり教えてもらった。それにしても地面で教えてもらったことを登りの中で忠実に反映するのは集中していないと難しい。ホールドとして使用するパートはカムも決めやすいポイントでもある。このくらいのグレードだとムーブのプランBが作りやすいけど、難しくなってくるとそこがキモになってくるのだろう。3便目でリードしてみた。問題なくRP。乗っ越しのあたりに念のためカムを決めたのだけど、カムの効きの確認がちょっと甘いとの指摘をいただく。たしかにそうだった。もう落ちないだろうと思って適当になってしまった。2便出して練習しまくったせいで、慢心が出てきたのかもしれない。そういうタイプの気の緩み方も自分にはあるということだ。気をつけないと。それから久々に妹岩に行ってみる。のりのりさんのジャックと豆の木のトライのビレイをしてると、雨が降ってきた。2便ビレイしたところで状態も良くないようだし、また次回。妹岩は知り合いが数人いておしゃべりに花。

2017/09/10
今日は瑞牆へ。ガイドブック片手に地獄エリアというところに行ってみることにした。途中不安になって時間がかかってしまったけど、なんとか現地着。今日はジャイアントジャムサンドという課題にトライすることにする。昨日の小川山レイバックと違って、こちらは様々なサイズのクラックが出てきて盛りだくさんの内容とのこと。まずはのりのり先生がトライ、宿題だったこの課題を無事RP。まずはトップロープでカムを決めながら登らせてもらった。フィストサイズなんて初めてでドキドキ、というか怖い。トップロープでトライしたということもあるけれど、自分は登り出すとムーブの流れとリズムに集中してしまうのでプロテクションが少なめになってしまうようだ。昨日よりジャムが少しわかってきたような気がして楽しい。ジャムが抜ける気がしないという感覚も少し味わうことができた。ちょっと休憩して次はリードでのトライ。怖い。レストポイントでは余ったカムを保険で決めて、さっきのトライで気づいたこととを全て冷静にこなせば落ちることはないと自分に言い聞かせてスタート。後半で自分のロープがフットジャムに挟まってしまったせいでロープが出づらい場面もあったけど、冷静に処理できて無事にRP。聞いていた通り、この課題は内容がバラエティに富んでいて非常に面白い。岩の上に立つことができる課題で気分もいい。勧めてくれた訳がわかった。しかしムーブがわかってしまうとなんてことはないのだけれど、これを初見でリードしたらどうなっていただろうか。ちゃんと落ち着いたムーブと確実なプロテクションで登れていたか全く自信がない。つい前進のためのムーブを考えることに集中しがちだけれど、もう少し冷静に自分の置かれた状況を客観的に把握できるようにならないと。ちょっと移動してホンゴウさんペアのところまで降りて、回収した終了点のセットをお返しした。トライされていたイレブンのルートのRPも見れたし、けっこういい時間だったので早めに山を降りた。帰りはいつもの20キロ渋滞。双葉SAできんさんペアにお会いした。さて、次は何やろう。カヌーっていう課題がめっちゃカッコよかった。もっと上手くならないと。手取り足取り丁寧に教えてくれたのりのりさん、本当にありがとうございました。

小川山レイバック。クライミングを始めたばかりの頃、雨の中を傘さして見にきてこんなの登る日がくるのだろうかと思ったっけ。あれから幾年月。