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2017/12/22 ベートーヴェン「第9」演奏会

なんとか行けることになって急遽チケットを取って行ってきた。NHKホールでN響の第9。指揮はクリストフ・エッシェンバッハさん。ソプラノは市原愛さん、メゾ・ソプラノは加納悦子さん、テノールは福井敬さん、バリトンは甲斐栄次郎さん、合唱は東京オペラシンガーズの皆さん。内容的に年末より年始に演奏する方が良いのでは?といつも思うのだが、まぁいいか。いつ聴いても素晴らしいことだし。第9を通しで聴くのは何年ぶりだろう。寝不足で実はちょっと心配だったのだけど、第1楽章から引き込まれる。第3楽章のまぁカッコいいこと。第4楽章は例によって総毛立つ演奏とコーラス。満ちた時間を存分に味わって帰途に。師走の原宿は賑やか。帰って仕事しよう。

NHKホールのエントランスにて。外の青の洞窟のギラギラした青のイルミネーションよりやっぱこっちの色味が落ち着きます。

2017/12/10 マリインスキー歌劇場管弦楽団

去年のプログラムが素晴らしくよかったので今年も行くことにした。去年はオール・チャイコフスキーだったけれど、今年はオール・ラフマニノフのプログラム。指揮は去年と同じくマエストロ・ワレリー・ゲルギエフ。今年のプログラムを見たときは驚いた。13:00からラフマニノフのピアノ協奏曲1番と2番と交響曲第2番を演奏して、18:00からラフマニノフのピアノ協奏曲3番と4番と交響的舞曲を演奏するプログラムなのだという。しかもピアノ・ソリストはデニス・マツーエフさん一人。17:00からはゲルギエフさんのトークあり。このロシアの人たち、元気すぎるわ。どっちに行こうか迷ったけど、18:00からのプログラムにした。去年のベルリンフィルのジルベスター・コンサートでダニール・トリフォーノフさんの3番を聴いていたので、同じロシア人ピアニストでもう一度聴いてみたいと思ったのでした。今回は指揮台がなくてゲルギエフ氏は床に譜面台を置いてわりと自由に動いて指示を出しながらの指揮。始まってみるとマツーエフさんのピアノが鳴るわ鳴るわ、驚いた。ピアノが壊れるんじゃないかと思った。こんなに大音響で鳴るピアノを初めて聞いた。とはいえピアニッシモの繊細な音もおろそかにしてない。全体的には抒情溢れる演奏だったと思う。演奏が終わるとブラヴォーの声がたくさん。拍手喝采。個人的にはどちらかというと4番が好みだったかな。交響曲的舞曲も素晴らしいドライブ感でとてもよかった。ピアニストのアンコールはラフマニノフ「練習曲:音の絵」、オケのアンコールはメンデルスゾーン「真夏の夜の夢」よりスケルツォ。ここだけは去年と同じか。すごいピアノとさすがマエストロ・ゲルギエフ氏のマリインスキー管弦楽団の美しい演奏。素晴らしいオール・ラフマニノフ・プログラム。今回は一番前の列の右側の席だったのだけれど、目をつぶって聴かないと目の前のヴァイオリンのパートが目に入るので意識的に大きく耳に入ってくるように聴こえてしまう。やはり音をしっかり聴くには二階席がいいと思った。とはいえ前方の列はオケの音圧と指揮者の息遣いが間近に感じられて、臨場感があってそれはそれで捨てがたいのが悩みどころ。

アークヒルズ・カラヤン広場のクリスマス・イルミネーションがきれいだった。よく見てみると細かいディティールにこだわったデコレーション。

2017/12/09 N響定期

先週のラヴェル縛りのプログラムが素晴らしかったので、今週も引き続き同じくシャルル・デュトワさん指揮のN響定期を聴きに。今回のプログラムはストラヴィンスキー「幻想的スケルツォ」、サン・サーンス「ピアノ協奏曲第5番(エジプト風)」、ピアノ・ソロイストはジャン・イヴ・ティボーデさん。その後にストラヴィンスキー「火の鳥」の1910年全曲版。今日のお目当ては火の鳥。実はこの曲がバレエ音楽だとは知らなかった。「組曲」なのかと思っていた。ぜひこの機会にこの曲のオリジナルを最初から全て聴いてみたいと思ったのでした。組曲より冗長な感じがするかもと思っちゃったのが申し訳ないくらいのカッコよさ。最後の盛り上がりのあたりでちょっと鳥肌。音の絵巻物ですね。サン・サーンスのピアノ協奏曲も初めてだったけど一発で好きになった。ちょっと迷ってて、直前に取ったチケットだけど行ってよかった。

代々木公園脇の歩道橋。ステップに銀杏の葉が積もって目に鮮やか。

2017/12/03 N響定期

晴天。午後、明治神宮前駅から代々木公園の紅葉した木々を見ながらNHKホールまで歩く。オーチャードホールでのN響定期には行ったことがあるけれど、本拠地で聴くのは初めて。そうか、ここで紅白歌合戦やっているんだ(何年も見てないけれど)。だからパイプオルガンが会場に向かって右の壁に設置されてるのか。今回のプログラムはパーヴォ・ヤルヴィさんの指揮ではなくてシャルル・デュトワさんで全曲モーリス・ラヴェルのプログラム。「古風なメヌエット」で始まって、組曲「クープランの墓」、「左手のためのピアノ協奏曲」のあと、15分の休憩。「道化師の朝の歌」、「スペイン狂詩曲」のあとは「ボレロ」で〆。今回一番聴いてみたかったのは「左手のためのピアノ協奏曲」。ピアノはピエール・ロラン・エマールさん。題名の通りピアノは全て左手のみで演奏する。第一次世界大戦で右手を失ったウィーンのパウル・ウィトゲンシュタインという人の依頼で作られた曲。非常にエモーショナルな曲で、本当に左手しか使わない演奏でしかも協奏曲なんて初めての体験。非常に驚いたし、ものすごいカッコよさ。ラストの「ボレロ」はなんというかすっきりしてて端正な印象を受けた。2種類のメロディを繰り返すという曲が指揮者次第でこんなに印象が違うものになるのかと。小太鼓の黒田英実さん、ブラボーでした。

帰りにホールを出ると並木道が「青の洞窟」と銘打ったイルミネーションで飾られていて驚いた。なんというか、非常にケミカルな色合いの青色LED。インパクトはあると思うけど、風情は..どうだろう。デジカメで撮ると発色が鮮やかすぎて色が破綻している。あと4週間で今年が終わってしまうのが信じられない。

2017/11/01 ブラック・ダイク・バンド

仕事が終わって急いで池袋の東京芸術劇場へ。去年のブラックダイクバンドの評判がとても高かったので今年来日することがあれば行ってみたいと思っていたのでした。イギリスの実力ナンバーワンのブラスバンドとのこと。指揮はニコラス・チャイルズさん。演奏が始まってまず感じたのはオーケストラの金管の音と比べて非常に柔らかいと感じたこと。使用する楽器もオーケストラで用いる金管楽器とは違うようだ。前半のプログラムは「クイーンズバリー」で始まって、映画「ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎のテーマ」、「ジェームズ・ボンド/007組曲」、「トレボーン湾のほとりで」、「メトロポリス1927」のあと20分間の休憩。後半は「スルー・ザ・フレイムス」のあとはソリストショーケース「アニー・ローリー」「オーバー・ザ・レインボー」「ブラヴーラ」3曲それぞれソリストたちの超絶技巧を堪能できた。最後はビッグ・バンド・セットで「オーパス・ワン」「アイ・オンリー・ハヴ・アイズ・フォー・ユー」「マック・ザ・ナイフ」「トゥ・ボールドリー・ゴー」。ビッグ・バンド・セットでの演奏は大盛り上がりだった。アンコールはバッハの「トッカータ」と「ハイランド・キャッスル」。バッハをブラスバンドで聴いたのは初めてだったけど、アレンジが斬新で非常にカッコよかった。ブラスバンドがこんなにカッコいいなんて想像もしていなかった。世の中には自分が知らないすごいものがまだまだたくさんあるのだよなぁとしみじみ。ラストの曲もよかったけど、おじさんは007のテーマにしびれた。また来年来てくれないかな。

2017/10/29 ケルン放送交響楽団

台風の影響で朝から強い雨脚。午後からオペラシティのコンサートホールへ。佐渡裕氏指揮のケルン放送交響楽団の日本ツアー最終日。佐渡氏指揮の音楽を聴いてみたくて、かなり前からチケットを取って楽しみにしていた。プログラムはワーグナー「ジークフリート牧歌」、シューベルト:交響曲第7番ロ短調D.759「未完成」、ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調op.67「運命」。未完成は初めて生の演奏を聴いた。とても柔らかくて繊細な印象。未完成という言葉はシューベルトがつけた言葉ではなく、後々ついたもの。未完成というテーマで作られた曲ではない。そうとわかっていてもインパクトのある演奏を思い浮かべがちだが、いい意味で期待を裏切られた。あえて言うならどこか儚げで哀しい曲に感じられた。20分間の休憩の後は「運命」。こちらは今まで聴いた中で一番熱い演奏だった。特に第4楽章の最後の全力の疾走感。佐渡氏がプログラムの解説に非常に興味深いことを書いていた。運命の楽譜はなんと八分休符から始まるのだという。指揮者は休符に向かって腕を振り下ろす。振り下ろした瞬間は音が鳴らなくて、「ン(休み)、ジャジャジャーン」なのだそうだ。これはCDで聴いていると絶対分からないだろう。生の演奏を目にして初めて感じられるサプライズだと思う。今回のプログラム、「未完成」が柔、「運命」は剛といったところか。アンコールはモーツァルトの「フィガロの結婚」序曲。

初台駅を出て、オペラシティのコンサートホール、タケミツメモリアルに続くアプローチ。ここの空間は本当に気持ちがいい。

2017/10/16 メナヘム・プレスラー ピアノ・リサイタル

2014年の年末にベルリンフィルのジルベスターコンサートを聴きに行った時、ゲストソリストだったメナヘム・プレスラーさんのピアノのあまりの美しさに驚嘆したのでした。その時はあえて前情報なしで聴きに行ったのですが、ずいぶん高齢なように見えたけど…と思いながらホテルに帰ってネットで検索してみたら、なんと90歳だというではないですか。そして今回がベルリンフィルの共演デビューとのこと。びっくり仰天。いや、びっくりを越えて、感動しちゃいました。その時の曲はモーツァルトのピアノ協奏曲第23番。あの演奏は忘れられません。そのメナヘム・プレスラーさんが去年来日する予定が体調不良でキャンセル。年齢も年齢だし仕方ないか、と思っていたら今年も来日する予定とのこと。即チケットを入手して聴きに行ってきました。プログラムはヘンデル「シャコンヌト長調HWV435」、モーツァルト「幻想曲ハ短調K.475」「ピアノソナタ第14番ハ短調K457」、ドビュッシー「前奏曲集」第1集から「デルフィの舞姫たち」「帆」「亜麻色の髪の乙女」「沈める寺」「ミンストレル」、「レントより遅く」、「夢」。そしてショパン「マズルカ第25番ロ短調op.33-4」、「マズルカ第38番嬰ヘ短調op.59-3」、「マズルカ第45番op.67-4」、「バラード第3番変イ長調op.47」。大きな拍手に迎えられて登場、付き添いの方に支えられてピアノの前に座りちょっと目をつむってから演奏が始まりました。最初はちょっと緊張してるのかなと思っていましたが、すぐに演奏に集中。柔らかい音、息を飲むピアニッシモ。今売り出し中の若くて勢いのあるピアニストの大輪の花のような演奏も素敵なのだけど、今日のはそっと咲いているとびきり美しい小さな花をみんなで息をこらして見守るようなピアノ・リサイタル。聴衆のマナーも素晴らしかった。アンコールはショパン「ノクターン第20番嬰ハ短調」、ドビュッシー「月の光」。演奏後、付き添いの方に支えられて大きな喝采に応えるべく何度もステージに出てきてくれました。最後はほぼ全員スタンディング・オベーション。NHKの撮影が入っていたのでどこかで放送されるのだろうか。彼のドキュメンタリーだったらいいなぁ。

2017/10/04 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

アークヒルズサウスタワーの3rd Burgerでハンバーガーとビールを食べてリニューアルしたばかりのサントリーホールへ。5月に首席指揮者のイジー・ビエロフラーヴェク氏が逝去していた。代わりにタクトを振るのはペトル・アルトリヒテル氏。彼の指揮はどこかで聴いていると思うのだが、どこでだったか思い出せない。前回チェコフィルを東京で聴いたのは2015/10/31のサントリーホール、指揮はイジー・ビエロフラーヴェク氏で「我が祖国」とダニール・トリフォーノフのピアノでラフマニノフのピアノ協奏曲第二番だった。今回のプログラムはスメタナのオペラ「売られた花嫁」序曲、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第五番「皇帝」ピアノはアリス=紗良・オットさん、ドヴォルザーク交響曲第八番。アリス=紗良・オットさんのピアノを生で聴いてみたかった。青いドレスで裸足で登場。CDで聞くと硬質な音で端正なピアノという印象だったけど、コンチェルトで弾くピアノは端正なんだけど情緒豊かな印象。何より演奏を心から楽しんでいる姿が見てて楽しい。ピアニストのアンコールはショパン「夜想曲嬰ハ短調」。アンコール前に日本語で短い曲紹介があった。時差ぼけがキツいのでゆっくりな曲を演奏しますとのこと。アルトリヒテル氏の「Memory of Jiří Bělohlávek」のアナウンスの後、オーケストラのアンコール。ドヴォルザーク「スラヴ舞曲集第2集」より第7番と第8番。

ビエロフラーヴェク氏の指揮でレコーディングしたスラヴ舞曲集のCDが発売されていたのだった。買おうかな。

2017/09/17 読響日曜マチネーシリーズ

午後から池袋の東京芸術劇場に読響の第200回日曜マチネーシリーズを聴きに行ってきた。指揮はコルネリウス・マイスターさん、ピアノはダニール・トリフォノフさん。プログラムはスッペ「農夫と詩人・序曲」、プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第2番ト単調op.16」ベートヴェン「交響曲第6番・田園」。お目当てはトリフォノフさんのピアノ。プロコフィエフのピアノコンチェルトを生で聴くのは初めて。相変わらずの素晴らしいピアノ。曲調のせいもあるのだろうけど、あの世とこの世を自在に行き来しつつ演奏しているような錯覚を覚えた。去年ベルリンフィルのジルベスターで聴いたラフマニノフとは全く別人のようなピアノ。ピアニストのアンコールはプロコフィエフ「シンデレラより:ガヴォット」最後のベートーヴェンの田園で現実世界に無事戻されて終了。その足で目白のパタゴニアへクライミングパンツを修理に出しに行く。

マチネー終了後。外は相変わらずの雨。東京芸術祭の吊り広告、佐々木蔵之介さんのリチャード三世がとても気になる。それにしてもテキトーな写真(笑)

2017/08/29 キット・アームストロング ピアノ・リサイタル

キット・アームストロングさんのピアノを聴きにすみだトリフォニーホールへ。チケットを取るときに8/1のピーター・ゼルキンさんのゴルトベルグ変奏曲と迷ったのだが、今売り出し中の若手ピアニストの方を選んだ。プログラムはウィリアム・バード「ヒュー・アシュトンのグラウンド」、ヤン・ピーテルスゾーン・スウェーリンク「我が青春は過ぎ去りし」、ジョン・ブル「ウォルシンガム変奏曲」、休憩を挟んでJ.S.バッハ「ゴルトベルグ変奏曲」。前半の3曲は聴くのも初めてどころか、曲名を聞いたこともなかった。3人とも16~17世紀の作曲家。当時ピアノはまだなくて、その前身のチェンバロやオルガンの時代だったのだろうと思う。バロックっぽい曲調で、どこか中世後期の雰囲気。その時代の音楽をピアノで聴けたのは新鮮な体験だった。バッハは17世紀生まれで活躍したのは18世紀。バッハ以前とバッハ以後という意図のプログラム構成だったのだと思う。ゴルトベルグ変奏曲はコンスタンチン・リフシッツさんが1994年、17歳(!)の時のレコーディングのCDを持っているのだけれど、当然だが全く違った演奏で驚いた。録音とライブという違いではなく、もっと根源的な何か。世界観の違いってこういうことなのだろうか。すごい演奏だったし、聴衆のマナーも素晴らしかったと思う。これだったらピーター・ゼルキンさんのゴルトベルグも聴いてみたかった。どっちかだけじゃなくて、どっちもっていうのもアリだったよなぁ。そういえばコンスタンチン・リフシッツさんが2012年に再レコーディングされたゴルトベルグ変奏曲も出ているようだ。アンコールはバード「オックスフォード伯爵の行進曲」、リスト「夕べの鐘」。

錦糸町駅からトリフォニーホールへ向かう途中に見えたスカイツリー。結構近くに見えるけど、ここから2キロの距離とのこと。