Posts in Category: 観劇

2018/05/13 切られの与三

2年ぶりのコクーン歌舞伎。今年は切られの与三。歌舞伎に詳しくない自分でも知っている名セリフ「いやさァ、お富、久しぶりだなァ」。与三郎は中村七之助さん、お富は中村梅枝さん、演出は串田和美さん。与三郎役の七之助さんは普段は女形を演じているはず。どんな演出でどんな舞台になるのかとても楽しみにしていていた。与三郎の色男っぷりの艶やかさ、お富の所作の美しいこと。音楽もピアノとパーカッション(主にカホン)、ウッドベースのピアノトリオに附け打ちという異色の組み合わせ。ジャズ調のBGMがめっちゃカッコよかった。あえて書かないけどラストは自分にとって衝撃の終わり方。与三郎のセリフにうたれた。前回の四谷怪談もすごかったけど、今回も期待通りぶっ飛んだ舞台だったと思う。また2年後なんだろうか、来年もやってくれないかな。

来る途中花屋さんのディスプレイを見て今日が母の日だということを思い出した。先週わかっていたはずなのに今の今まで失念していた。さて、と。

2018/04/22 Aida

午後から初台へ「アイーダ」の千秋楽公演を観に行く。1年前からチケットを取っていて、ようやく、やっと観れた。グランドオペラの代表作ともいえる「アイーダ」。アイーダ役のイム・セギョンさん、ラダメス役のナジミディン・マヴリャーノフさん、アムネリス役のエカテリーナ・セメンチュクさんの歌が尋常じゃなく素晴らしかった。そしてランフィス役の妻屋秀和さんの安定感。オーケストラは東京フィルハーモニー交響楽団、指揮はパオロ・カリニャーニさん。演出・美術・衣裳はフランコ・ゼッフィレッリさん。歌唱、音楽、舞台美術、衣装、まったく文句のつけようがない。自分が今までで見た国内のオペラで最高、圧巻の出来だったと思う。お馬さんまで舞台に出てきてたまげた。

長丁場のはずの4時間もあっという間。幕間のコーヒーが美味しかった。いい天気で気分もよし。

2018/03/25 ジャンニ・スキッキ&子供と魔法

去年に引き続き、今年も小澤征爾音楽塾のオペラプロジェクトを観に行く。去年はカルメン、今年は短いオペラを二本立て。ラヴェルの「子供と魔法」とプッチーニの「ジャンニ・スキッキ」。小澤氏は今回はドクターストップで指揮台には上がれず。今年も元気な姿を見れるかなと思っていたので、ちょっと残念。小澤氏に代わって子供と魔法の指揮はデリック・井上氏、ジャンニ・スキッキはジョセフ・コラネリ氏。子供と魔法のストーリーはかなり興味深かった。夜になって子供に痛めつけられていた家具や食器や動物たちが恨めしげに語りだすという展開。子供向けなように思えるけど大人も十分楽しめる。「ジャンニ・スキッキ」はダンテの神曲に着想を得てつくられた作品。遺言状を書き換えた罪で地獄に落とされたジャンニ・スキッキの話がオリジナル、というとヘビーな物語を想像するけれど、喜劇としてのオペラに仕立ててある。前回も思ったけど、若い人たちのオーケストラの演奏が今回も素晴らしい。来年の演目は何だろう。今から楽しみ。小澤さん、ゆっくり休んでしっかり治してください。

終わって出たら上野公園は桜見物ですごい人出。見頃を迎えていた桜を夕陽をバックに。いい時間帯だった。

2018/03/17 Norma

二期会のオペラ、ノルマを見にオーチャードホールへ。通常のオペラの舞台のしつらえではなくて、今回はセミ・ステージ形式。通常のオペラと演奏会形式のちょうど中間くらいの設定。舞台の上にオーケストラがいて、その後ろに一段高くなった簡単な舞台が用意してある。ノルマ役の大村博美さんとオロヴェーゾ役の妻屋秀和さんが目当てだったのだが、ポリオーネ役の城宏憲さんとアダルジーザ役の小泉詠子さんも素晴らしくよかった。セミステージ形式だと音楽の良さがとてもわかりやすい。通常の舞台だと舞台手前の半地下にオーケストラピットがあってそこから上に向かって音楽が鳴るのだけど、今回は完全に舞台の上に出ているので音楽の広がり方が全然違っていた。正直、なんでセミステージ形式なんていう中途半端なに思えるセッティングにしたのだろうと思っていたのだけど、見終わって納得。今回のテーマはどちらかというと音楽にフォーカスした楽しみ方の提案だったのかと。帰りは麗郷で台湾料理をいただく。塩水白虾が出色の美味しさ。

関係ないけど、角田光代さん訳の源氏物語を読み始める。何年か前に林望さんの訳で読んだのだが、訳者が変わるとどう変わるのか楽しみ。それにしてもこの厚み。これで上巻。中と下巻も続いて発刊とのこと。久々の源氏ワールド、楽しみます。

2018/02/18 松風

午後から初台の新国立劇場へ松風を観に行く。もともとは能の演目だということは知っていたけど、それをオペラに仕立てるとどうなるんだろうと思っていた。オペラというか、舞踏の要素がとても強く感じられる舞台。コレオグラフィックオペラというのはこういうことを言うのかと。歌いながらのコンテンポラリーダンスと言ってもいいかもしれない。能のエッセンスを現代の感性と表現でオペラの枠組みの中に生まれ変わらせたということなのだろう。非常に象徴的なのだけれど多彩な解釈ができるシーンが多かった。歌もメロディアスではないし、踊りながらという感じなので演じるのが非常に難しかったと思う。この作品は好き嫌いが分かれそうだが、個人的には印象的で心に残るすごい作品だと思った。

ホールの2Fに過去の作品の舞台衣装が飾ってあったので終わってから見に行ってみる。オペラの衣装をこんなに間近で見たのは初めて。こんなにも手が込んでいるものなのかと驚く。とても美しい。

2018/01/13 トゥーランドット

 渋谷の霊郷で海老そばを、セガフレードでエスプレッソを飲んでからキエフ・オペラのトゥーランドットを見にオーチャードホールへ向かって文化村通りの坂を登る。トゥーランドットは2回目。前回の東京文化会館から2年以上経ってるのか。
 今回トゥーランドット姫役はオクサナ・クラマレヴァさん、カラフ役はセルヒィ・パシュークさん、そしてリュー役のリリア・フレヴツォヴァさん。オーケストラはウクライナ国立歌劇場管弦楽団、指揮はミコラ・ジャジューラさん。演者のみなさんのオケをねじ伏せんばかりの歌唱力。特にトゥーランドット姫の迫力、リューの死のアリアの切なさが際立っていたと感じた。最後は大喝采。
 キエフのオペラ?と思っていたのだけど、ウクライナ国立歌劇場はロシアのボリショイ歌劇場やマリインスキー歌劇場と並ぶ旧ソ連邦の三大オペラの一つなのだとか。どうりで、と言う感じの安定した実力を感じさせる素晴らしい舞台でした。海外公演ということで今日の演目だったのだろうけど、彼らがロシアオペラのエフゲニー・オネーギンとかルスランとリュドミラなんかやったらどんな感じなのだろうかと思った。ぜひ見てみたい。

関係ないけど、街行く人々の雰囲気と反比例して、こんなに照度的にだけ明るい街は世界でも稀有なのではなかろうか。

2017/12/27~2018/01/09 “Trip in PARIS/France,MILANO/Italy” 備忘録

Musée d’Orsay

2017/07/29 ばらの騎士

御徒町のアーンドラ・キッチンでマサラドーサセットをいただいてから、上野の東京文化会館で二期会のばらの騎士を観に行く。元帥夫人は林正子さん、オックス男爵は妻屋秀和さん、オクタヴィアンは小林由佳さん、ファーニナルは加賀清孝さん。妻屋さんのバカ殿(男爵)っぷりがツボで笑いを誘う。カツラ芸ありの楽しくも素晴らしい演技。オクタヴィアンは男性の役なのだが、女性が演じる。フィガロの結婚のケルビーノ役のようだ。小林さんが熱演。素敵な歌声。14時開演で2回の休憩をはさんで、終演は18時。外に出たら雨が強く降っていて、まいった。目の前だけど上野駅までダッシュ。

開演前に不忍池に寄ってみる。無風、酷暑。蓮の海。

2017/07/15 NINAGAWAマクベス

炎天の土曜日。13時開演のNINAGAWAマクベスを観に行ってきた。蜷川幸雄氏の一周忌追悼公演でワールドツアーの日本公演。マクベス役は市村正親さん、マクベス夫人役は田中裕子さん、ダンカン王役は瑳川哲朗さん、バンクォー役は辻萬長さん、マクダフ役は大石継太さん。スコットランドの物語を中世の日本という設定で物語が展開されていく。仏壇のような舞台セット。舞台美術は誰だろうと思ったら、妹尾河童さんだった。腰の曲がった二人の老婆が仏壇を開き、閉じて終わる物語。マクベス役の市村さんもすごかったのだけれど、想像をはるかに超えて凄みを感じたのはマクベス夫人役の田中裕子さんの演技だった。ダンカン王を亡きものにしようとするが罪悪感で迷っているマクベスを叱咤して奮い立たせるときの台詞と演技は鳥肌が立った。桜が舞い散る中でのマクベスの最期とマルカム新王で終わるラストシーン。この公演は千秋楽はロンドンでやるようなのだけど、蜷川氏演出のマクベスを観たイギリスの人たちの感想も聞いてみたいと思った。素晴らしい三連休の始まり。今回は二階の一番前だったのだけど、一階でもう一回見に行きたいくらい良かった。

初めての与野本町の彩の国さいたま芸術劇場。モノトーンの控えめな外観。木目ベースで落ち着いた雰囲気の大ホールの設えだった。

2017/06/17 ジークフリート

午後から初台の新国立劇場へジークフリートを観に。ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」シリーズ全4作のうち、第3番目の物語。本当は第1話の「ラインの黄金」から順番に観たいのだけれど、各話はそれぞれ独立した性格のストーリーなので単独で観ても十分楽しめるとのことなので気にしないことにする。三幕構成で45分休憩が2回。合計6時間の大作。そんな長時間集中して観れるかなと不安だったのだが、全くの杞憂だった。ブリュンヒルデ役のリカルダ・メルベートさん、ヴォータン役のグリア・グリムスレイさん、ミーメ役のアンドレアス・コンラッドさんの歌唱と演技は素晴らしかった。特にジークフリート役のステファン・グールドさんの歌のすごいこと。この役は難役中の難役のようなのだが、全くそれを感じさせない。第三幕のブリュンヒルデとの二人の歌は圧巻だったと思うし、照明も非常に美しくて非常に印象深いシーンの連続だった。小鳥の役でバレリーナの方が出ていたのだけど可愛らしくて素敵な演出だったと思う。

梅雨の最中だというのに空気も爽やかで非常にいい天気だ。14時開演で終わったのは20時頃。いい時間だった。