2017/12/06 熊谷守一展

なかなか回顧展を見ることができなかった。今回没後40年ということで竹橋の東京国立近代美術館で熊谷守一展が企画されたようだ。だいぶ前に豊島区の熊谷守一美術館に仕事でうかがったのが熊谷氏の画にふれたきっかけ。その時に「夕暮れ」という題名の太陽を描いた画を見たとき、光に照らされた対象を描くのではなく、光源自体を画にするという発想に驚いたのでした。
画学生だった頃の作品からじっくり。独自のスタイルを身につけて「熊谷守一」になっていく転換点的な画や独自の表現を身につけた後の作品まで全部で200点以上。平日の午後ということもあって人も思ったよりも少なくてのんびり自分のペースで鑑賞できた。すごいと思ったのはやはり今回も70歳からの作品群。80歳以降の作品の色使いのビビッドさ。画題の選び方と組み合わせの感覚。70代の中盤で身体の具合が良くなくなって、ほとんどの時間を庭で植物や蝶や蟻や猫を観察しながら暮らしていたのだという。そこにあって当たり前ともいえる身近な事物の中に自分なりの視点で面白がれることを見つけて、それを卓越した観察眼と独自の表現テクニックで作品として昇華させることができるんだ。あんな風に何事も自分なりに面白がれる好奇心をいつまでも持ち続けられたら素晴らしいこと。

東京国立近代美術館のエントランス付近に並べられていた椅子に陽が差していた。

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