2017/02/19 トスカ

上野の文化会館で二期会のトスカを観に。トスカ役は大村博美さん、カヴァラドッシ役は城宏憲さん、スカルピア役は体調不良の直野資さんに代わって今井俊輔さん。オーケストラは東京都交響楽団、指揮はダニエーレ・ルスティオーニさん。トスカ役の大村さんの歌唱力と演技力、いずれも素晴らしかった。スカルピア役の今井さんは連日の出演となっているはずなのだが、それを感じさせない。そういえば前回トスカを観たのは2016/01/06ののベルリンのドイチェオーパーだった。その時のMichael Volleさんの好色で傲岸なスカルピアもすごいと思ったのだけど、今日の大村さんも負けずによかった。ねっとりとして嫌らしくて人でなしの素晴らしいスカルピア役だったと思う。しかし昨日の蝶々夫人といい、今日のトスカといい、オペラは酷いストーリーが多いのだけど、その酷い話に素晴らしい演奏と歌と演技をのせると思ってもみなかった別次元のドラマに生まれ変わる不思議。

帰りは久々に近所の和食屋さんで。この煮物が本当に美味しかった。大根と大豆と鰯とオクラ。大根の味はそっくり上質な出汁の味に置き換わっていて表面に煮汁がしみている。鰯は骨まで柔らかいんだけど、身の味は全く抜けてない。プロの仕事だなぁと感心しました。

2017/02/18 蝶々夫人

日本を舞台にした作品、蝶々夫人。ぜひ観てみたかった。蝶々夫人役は小川里美さん、ピンカートンはロレンツォ・デカーロさん、スズキ役は鳥木弥生さん。オーケストラピットはなくて、舞台前方、客席との間にオーケストラが位置していた。読売日本交響楽団、指揮はミャエル・バルケさん。演出は笈田ヨシさん。舞台も装置も美しくて、素晴らしい舞台だったと思う。ピンカートンを単なる悪役ではなく、心が弱くてむしろ自分たちに近しい男性としての表現だったように思う。なぜ蝶々夫人は死ななければならなかったのかという説得力のある演技。そしてドラマティックで素晴らしい演奏。個人的にはスズキ役の鳥木弥生さんの演技が心に残った。

会場においてあったダルマさん。翌日の千秋楽でもう一つ瞳が入ったことでしょう。

2017/02/06 青龍社の女性画家 小畠鼎子

吉祥寺で開催されている小畠鼎子さんの展覧会に行ってきました。吉祥寺は何度も行ったことのある街なのだけど、徒歩5分圏内に美術館なんてあったっけ?と思っていたらあるんですね、これが。小畠さんの画は強烈なインパクトというよりは、温かさがじんわり伝わってくるような作品たち。戦前と戦後という時代を通して描かれたような雰囲気ではありませんでした。企画展は小畠さんの展示だったのですが、常設展は萩原英雄さんと浜口陽三さんの部屋がそれぞれ一つずつ、合計3つの部屋を見ることができました。小畠さんの画を観に行ったのだけれど、実は今回一番興味深かったのは浜口陽三さんの作品。カラーメゾチントという技法で制作された作品の色の深さにびっくり。こんな版画見たことなかった。メゾチントは銅版画の一種らしいのですが、黒の中にも無数の色のトーンが表現されていて、静謐感の漂う落ち着いた雰囲気の非常に美しい版画たちでした。写真のモノクロームの印画紙にも温黒調とか冷黒調とかあるけれど、もっと豊かな色彩を含んだ深みのある黒のトーンに目を見張りました。人の手で造った黒の色とでも言うのでしょうか。常設展の部屋に素敵なデザインの椅子が所々に置いてあって、座って鑑賞できます。外国の作家の名のある作品なのでしょう、美しいデザインの椅子がさりげなく置かれている小さいながらも素敵な美術館でした。入館料はなんと100円。もうちょっといただいてもいいんじゃないでしょうか、と思える素敵な空間でした。世の中には自分が知らないだけで、すごいものが本当にたくさんあるなぁ。

この通りは何回も通ったことがあったけど、この看板を意識したことはなかった。1Fにムーミンカフェが入っているビルです。

2017/02/01 立川談春独演会

仕事帰りに浅草公会堂へ。行きがけに久々の「つし馬」で煮干しラーメンをいただいてから。このホールはどことなく独特の雰囲気があると感じた。日本の伝統芸能がたっぷり染み込んだホールなのだろう。演目はまず前座の立川ちはる「小噺」、立川談春師匠の「白井権八」の後、仲入り。最後は「明烏」。「明烏」で笑った笑った。師匠もマクラで言っていたけれど、この噺はどこか春っぽい。吉原噺を浅草で聞くのも悪くない。終わってから一杯やりたいところだけれど、その時間には仲見世近辺は夜が早くてほとんどが閉まっている。残念。ドライで帰宅。

久々に雷門をくぐってみた。やっぱり浅草界隈の雰囲気は好きだ。

2017/01/31 ベルリン・フィル八重奏団

初台のオペラシティ。ベルリン・フィル八重奏団を聴きに。演目はニールセン:軽快なセレナード (Cl. Fg. Hrn. Vc. Cb.の五人)、ドヴォルザーク(シェーファー編):5つのバガテル Op. 47(八重奏版)、シューベルト:八重奏曲 D.803、アンコールはシューベルト八重奏曲よりスケルツォのパート。ベルリン・フィルの首席奏者たちの室内楽をぜひとも聴いてみたかった。特にシューベルトの八重奏曲。柔らかくて暖かな音色と美しいアンサンブル。一糸乱れぬタイミング。普段から同じオーケストラで演奏しているゆえの一体感だろうか。シューベルトの八重奏曲は一時間近くもある長い曲。毎回微妙に味わいが違うとのこと。八人という比較的少人数とその時の会場の雰囲気を巻き込んで奏でる一回性の音楽の面白さ。自分のような素人が聴いてもわかる素晴らしい演奏だった。来年も来てくれたらオーケストラとは違う少人数ゆえの一回性を味わいにぜひまた行きたいと思った。

2017/01 ジムメモ

2017/01/29 ティツィアーノとヴェネツィア派展

午前中から上野の都美館へ。去年春にカラヴァッジョ展を観てから、食わず嫌いだったイタリア絵画に少しずつ興味が出てきた。そんな自分でもティツィアーノという名前くらいは知っているけれど、ヴェネツィア派という言葉は聞いたことがなかった。デッサンを重視したフィレンツェ派とは違って色彩とその場の空気感の表現を重視していた流派とのこと。展示の内容はヴェネツィア派の中核であるベリーニ親子の工房の作品、その工房出身の作家たちの作品、時代は下ってその影響を受けたティツィアーノやティントレットなどの巨匠たちの作品、ヴェネツィア派の版画という構成だった。印象に残ったのはやはりティツィアーノの「フローラ」「ダナエ」「教皇パウルス3世の肖像」、パルマ・イル・ヴェッキオの「ユディト」、ヤコボ・ティントレットの「レダと白鳥」。ヴェネツィア派の展示ということもあり、肖像画と宗教画が多かった。飽きずに最後まで楽しく観れたのはキュレーターさんたちの力なのだろうと思った。音声ガイドの別所哲也さんの語りもよかった。

今日の空が映る都美館前のオブジェ。

2017/01/12 立川談春新春独演会

仕事終わりに品川へ。品川プリンスホテルアネックスタワーの中にある、クラブEXという円形の会場でした。前座は二人。入門したばかりの立川ちはるさんの「小噺」、立川こはるさんの「初天神」。こはるさんの初天神は子供の声がリアル。子どもの声特有の周波数は女性の方が再現しやすいのでしょう。声だけじゃなく噺っぷりもとても良かった。二人とも女性の噺家さんだったのが意外で印象的。二人ともショートヘアーだしなんとなく雰囲気も似ているような(姉妹?)。それから談春師匠の登場。静かな調子で談志師匠の話をマクラに「替り目」、仲入り。その後で今日のメイン「居残り佐平次」。品川の遊郭が舞台のこの噺を品川の会場でやるというので観に来たのでした。いやもう笑った笑った。三遊亭圓生さんが作ったオリジナルのサゲではなく、談志師匠がアレンジしたバージョンで。その辺のエピソードを終わる直前に談春師匠が語っておられました。こういう話を生で聴けるのも独演会のいいところではないかと。

帰り際、品川プリンスを出て横断歩道から。昔々学生だった頃、ここ高輪口から大学まで歩いたよなぁと。当然だけれど当時とはだいぶ雰囲気が変わってて色々と感慨深い。

2016/12/26~2017/01/09 “Trip in AMSTERDAM/Netherland,BERLIN/COLOGNE/Germany” 備忘録

2016/12/27
RIJKSMuseum(アムステルダム国立美術館)/Amsterdam

“The days in KÖLN/COLOGNE”Vol.3

Run & row/The Rhine